2015年11月19日木曜日

名作と凡作

立派な美術館で、豪華な額装に収められて、薄暗い間接照明で、誰様の何という絵で、何年に描かれて、どんな画法でとプレートの説明がつく絵を観る。その絵が、学校の廊下に貼ってあったら、果たして同じような印象をもつのか。入れ物ばかり見ていて、中身は見えてない。服装や雰囲気に騙されて、人物の印象を決めつけてしまう。そういう体験は多い。正直に言って美術館に収まっている作品でも「どこがいいのかさっぱり…」というのも多い。「まあ、こういうところにある作品なので立派なのだろう」とこちらの観る目の無さを恥じて恐れ入ってしまうのだ。世界的に名のある作家なら、その名前だけで有難がってしまうが、そこは人間のやること、実は凡作というのもありそうだ。
絵のちからが、実は美術館の威厳や絵の横の小さなプレートの威光だとしたら。芸術作品の感動というものも、なにやら心もとなくなってくる。



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