2016年1月27日水曜日

小説家と画家

誰でも知っているような小説家が「本一冊書くのに半年。最近本も売れないから、せいぜい行って1万部。年二冊出しても300万にいくかどうか。コンビニのアルバイトに稼ぎで負けてる作家がいっぱいいる」とこぼしていた。人気作家でもこれが実態。多くの「まあまあの作家」(それでも文芸賞の受賞実績あり)では、初版の3千部とか5千部売り切るのが一杯で、再版はなし。これだとさらに収入は半分になってしまう。

それでも小説はまだ登竜門があるからいい。一発当てて世にでる道が開けている。芥川賞、直木賞になるとマスコミが大きく報道して、注目される。画家はどうだろう。毎年大きな美術展があり、作品を持ち込めば出展の可能性もないわけではないが、いかんせん地味だ。仮に出展がかなったとしても、それだけだ。賞金もない(コンクールに出して上位になると「お買い上げ」というのはあるが)。

画家は言う。「小説はいいよな。当たればどんどん刷って大量販売がきく。音楽だってそうだ。絵はそういうわけにいかないからなぁ」。すると「そういうことを言っているから画境が深まらないのだ。むかし北斎とか池大雅はな、無欲恬淡のひとであって…」と叱られるのだ。画家はつらい。




0123 for gatelykta



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