2016年2月2日火曜日

悪魔のささやき

陶芸家より画家がまし。画家より小説家がまし。となったが、いずれも創作の世界はしんどい。常に「こんなものじゃない。もっと上手くできるはず。もっとやりようがあるはず。もっと、もっと…」という自分の声に叩かれ続けて、休まる時がない。芸術家も霞を食って生きるわけにはいかないから、現実との折り合いも必要だ。本当はこういうものを創りたい、と思っても、客や市場の求めにも配慮しないといけない。不本意ながらも世に送り出すものも出てくる。求める理想の姿にはまだまだ力が及ばず、生涯得られぬ「完全!」の幻影を追いかける葛藤や悶々はどんなものだろうと思う。

それでも創作の道に生きる。やはり芸術の悪魔に魅入られたとしかいいようがないが、この悪魔、きっとこんな愛の言葉を芸術家の耳元に囁くのだろう。
「お前は天才だ」
「いずれ世界が喝采する」
「歴史に名を刻め」
だから耐えろ、手を動かせ、なのだ。骨になるまで囁きは続く。



0126 a boy








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