2016年5月27日金曜日

人生暗転電車

30年ほど経つが、いまだにトラウマになっている。電車の中。まん前に座っている品の良さそうな初老の女性ふたりが何やらぼそぼそ、声をひそめて相談している。嫁の悪口だろうか。まあ、上品そうな家ほどややこしいことがあるものだ。吊り革にぶら下がって遠くを見ながら、聞いてませんよ、そんなポーズをとっていた。
するとひとりが突然目を上げ、口に手を添え、そっと囁やくように言った。「チャック、開いてますよ!」



                            
0517 man


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