2016年5月31日火曜日

知ったかぶり

齢とともに減ってきたとは思うが、「何それ?」が言えずに知ったふりをすることがある。プライドが邪魔をすることはもちろんだが、一旦相手の話の腰を折ることへの抵抗もある。

面倒なのは「…って知ってる?」と聞く人。イエスかノーしか答えはない。知ったかぶりを許すマイルドな日常会話は白黒をはっきりさせずに曖昧に流すのが作法というもので、知るか知らないかを明確に求めるというのは配慮に欠ける。その辺の機微を一向に解せず、最近仕入れた湯気の立つようなネタをこういう切り出しで披露してきたりする。
「知らない!」と勇気を出したら(こういう人には知らないと答えてあげるのが作法)、とくとくと知識の開陳が始まり、最後に「知らなかった?」と丁寧にトドメをさす。知ったかぶりの痛みや知識というものの薄っぺらさを知る人は、相手への配慮も働くから、「ネットからの受け売りなんだけど…」みたいな謙遜で矛先を丸め、決して相手の胸先に知識の有無を突きつけるようなことはしないものだ。

英会話を聴いていると、やたらと「you know」が挟まってくるが、これは「えーと」「あのう…」みたいなものだろう。まさか、いちいち「知ってるよな?」と確認してないと思うが、もしそうだったら相当面倒くさいことになる。


            
            知らんがな
0518 man

0 件のコメント:

コメントを投稿