2016年7月26日火曜日

健康なんてラララ

「世に老人は数多い。だがそれは自分のことではない」例えば75歳のひとでもそう思っているのではないだろうか。よくよくのことがない限り、ひとは老いを受け容れないような気がする。「人による」なんて言ってしまえばそれで終わりだが、死ぬことと一緒で、いつか死ぬことは自明のこととして分かっていても、自分には関係ないことのようにして毎日を生きている。これを続けてずいずい生きていくと、老いも死も、他人事のようにうっちゃって、あるところまでは行けそうだ。

このお気楽主義の障害になるのが健康診断、現実に引き戻される嫌味な制度だ。測定項目もやたらと増えて、正常値を外れるとチェックが入り、注意観察やら再診(再検査)、要治療などの判定がくだされる。ここ数年、毎年再検査送りとなって、その度に大きな病院へ出向いての診察となる。結果は決まって「しばらく様子見で…」。この一言を覚えていれば医者が務まるのではと思うほどの定番の常套句を頂戴する。人間、半世紀以上も生きていればいろいろありまする。言われなくてもずっと様子見で生きていますって。

健康は影のようなものかもしれない。前を向いてぐいぐい歩いていると後から黙ってついてくるが、気にして追いかけると逃げ出す。


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