2016年8月24日水曜日

酔っぱらい

先日の夜。そろそろ寝ようかと時計を見たときだった。携帯電話が鳴った。むかし世話になった先輩からだった。リタイアして20年、ガーデニングや水彩画を嗜み、大型バイクを乗り回したりもする80歳、なかなかいけてるエイジングの人だった。聞けば、夫人が海外旅行に出かけ、自分は居残ってひとり酒、気まぐれで電話をかけたという。
かなりきこしめした状態で、その夜はどういう加減なのか妙にからんでくる。こっちは一滴も入ってないシラフだし、時間が時間だったので、つい面倒になり雑な相槌をうっていると説教が始まる始末。うんざりして黙っていると「おい!☓☓(ここに別人の名前が入る)おまえ、聞いてるのかっ!」

間違い電話ではなく、つい間違えて別人の名前を呼んだと思うのだが、あまりといえばあまりな狼藉ではないか。先輩もすぐ間違いに気付き、さすがに気兼ねしたのか、
「ま、あまり長くなってもアレなので…」と意気消沈気味の尻切れで電話が切れた。

街や電車から酔っぱらいが減ったという印象を随分前から持っている。こういう先輩のような酔態芸も、やがて落語の中だけになっていくのだろうか。



0801 a memory of summer

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